過去の忘れたくない作品(夏目伍10話)

 

夏目友人帳伍 10話「塔子と滋」

※ネタばれあります

 

夏目友人帳は大好きなアニメで、

特にこの回は、何回も涙を流しながら見ています

 

この回自体は、塔子さんと滋さんの今までの絆みたいなものが

主軸としてあって、この部分でもすてきなお話しですが、

私が切なくなって涙を流してしまうのは、

たそがれている夏目の後ろ姿と

最後の塔子さんのセリフのあたたかさです

 

1期では夏目の今までの境遇などでつらい過去は知っていても、

伍までくると、夏目もだいぶ笑顔がでてきて、

あの辛そうな後ろ姿を忘れてしまっていて、急に過去の回を

思い出さされるこのたそがれているような、ボロボロの夏目の

後ろ姿だけで、涙がこぼれます

 

アニメを最初から見ている人なら、

夏目は昔から、普通の人が見えない妖が見えて、

それを気味悪がれて、独りぼっちだった過去を

この後ろ姿だけで自分のことのように思い出してしまうのではないでしょうか

 

その後で、最後に塔子さんの一言

「それはきっと美しく、白く光って見えにくいのね」

1羽の烏を見て、夏目が隣に白い烏がいるということに対しての

塔子さんの返答です

普通の人が見えない妖が見える夏目の目には2羽の烏が見えていますが、

塔子さんの目には1羽の烏しか見えていないのです

それなのに、見えにくいという回答は、脱帽しかないです

わたしも含め、普通なら「見えない。どこ見てるの」と言って、

夏目はまた不気味な発言をしてしまったと思って、自分の回答を撤回して、

慌ててごまかすでしょう

でも、塔子さんは否定しません

見えにくいという、あたたかさ

忘れられないお話しです

 

アニメではありませんが、連続テレビ小説ゲゲゲの女房」でも

「見えんけどおる」という言葉があります

少し状況や立場は違いますが、自分は見えてなくても

相手はどうなのか、見えなくても支えてくれているもの・ひとの存在

を信じられるかは、価値観として大切ですが、

やはり人は見えるものしか信じられない部分があり、

考えさせられます

ゲゲゲの女房」はこのセリフ以外でも素晴らしい作品です

特に水木茂さんの考え方や生き様は、とてもかっこいいです

夏目友人帳とのつながりはありませんが、

こちらの作品もおすすめです